オイルサーディンとディーン・フジオカ氏に関する考察
私、加藤ウチタケがかねてより食してみたいと思っていた食べ物がある。
それは
オイルサーディンだ。
オイルサーディン…直訳すると「油まみれのディーン・フジオカ」
「油まみれのディーン・フジオカ」ってなんだ?
という疑問が、初めてオイルサーディンの存在を知った日からずっと脳内でループし続けていた。
考えてみてほしい。
ディーン・フジオカ氏といえばNHKの朝ドラに出演したことがきっかけでブレイクを果たした俳優の一人。
油にまみれる必要などないはずだ。
そんな汚れ仕事をしなくとも、体を張らなくとも、おそらく今後仕事が尽きることはないはずだ。
なのになぜ油まみれになる?
サラダ油の中に封印された魔物が数百年の熟成期間を経て現世に復活し悪事の限りをつくす…という映画で、主人公のジョイ君に再度封印される魔物役を演じることになったというのなら話は別だが…
…そんな映画にディーン・フジオカ氏が出演するはずがないだろう。
朝ドラ出演で獲得したファン、特に女性ファンを喜ばせるためにはもっとこう…「恋愛モノ」のようなディーン・フジオカ氏の魅力が遺憾なく発揮される作品に出演したほうがいい。
しかし、私は思ったのだ。
もしディーン・フジオカ氏が朝ドラのイメージを払拭しようとしていたら?
アイドル俳優ではなく演技派俳優を目指していたら?
映画「ジョイ君 VS アブラボーズ」の監督がディーン・フジオカ氏と懇意だったら?
そういうことだったのか。
オイルサーディン…それは、ディーン・フジオカ氏の俳優としての生き様を表現した一品だということか…
パッケージの謎の老紳士は
ディーン・フジオカ氏の役者魂が乗り移った「スタンド」だということか…
…了解。
ディーン・フジオカ氏の覚悟に最大限の敬意をもって応えよう。
いただかせていただきます。
まずはディーン氏のスタンドをパパッと切り裂き中身を取り出す。
現れたのは
「メタル化した石鹸」のような缶詰だ。
中二心をくすぐるデザインに感嘆しつつ
魔法反射装甲を引っぺがしていく。
すると…
なんだこれは。
可愛いじゃないか。
小さなお魚さんが丁寧に、かつ繊細に詰め込まれている…!
これが噂に聞く「アクアリウム」ってやつなのか…?
しかも……
みんな見て!!すごいよこれ!!!
お魚さんの頭がないよぉ〜〜〜〜!!!
もぉ〜〜!!ヒドイぞ!!
頭があってこそのお魚さんなのに!
でもあえて頭を処理することによって胴体部分、つまり魚肉の味がダイレクトに脳天を直撃するつまりオイルに浸された魚肉、ほろほろ崩れ落ちる肉体、それまさに文明末期、憧憬帝国の終焉を意味し、我、唯、虚空を仰ぎ、薫風を脚部に纏い、荒れ果てた世界を突き進む雷光のようにつまり…
超可愛い〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!
これぞまさに…これぞまさに……!
「首なしイワシの満員電車」や〜〜〜〜!!
あきらめるなよ…
確かに俺たちは、朝ドラ出演がきっかけでブレイクするイケメン俳優のように華やかな人生を送ることはできないかもしれない。
でも、妙なプライド、世間体、そんなもの気にしないですべて引っぺがしちまえばさ。
たとえ華々しくはなくとも、もっと自由な生き方ができるんじゃないか?
そう。
俺たちが目指すべきなのは「ディーン・フジオカ」じゃない。
そういうことだディン。
そうすればきっと俺たちにも…
あっオイルサーディンは普通に美味しかったです。