バイブからエロさを取り除けるのか
てことでバイブです。
突然ですが皆様、バイブに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
…はい。
…そうですよね。
ですよね。
男性器を模したフォルム、淫靡な律動…
ど真ん中どストレートでエロを主張してきますよね。
僕は初めてバイブを見たとき、そのあまりの潔さに思わず「粋ッ…!」と叫んでしまいましたからね。
でも、僕は思ったんです。
おそらく、皆様の頭の中には多数の疑問符が浮かぶことでしょう。
でもね、聞いてください。
僕は…
「除エロ師」なんです。
【除エロ(じょえろ)とは】
対象から性的要素を取り除く行為。その行い。
中学校や高等学校において女子生徒のスカートの短さを注意する生活指導などがそれにあたる。
また、過酷な訓練を積み、除エロにおける一定の技能が認められた者は「除エロ師」と呼ばれる。だが、その存在を知るものはほとんどいない。
除エロ師の認知を拡大すべく製作予定であった映画『武天老師VS除エロ師』は『陰陽師』のヒットによってなかったことにされている。
余談だが、除エロ師もAVは見るし週刊誌の袋とじもきれいに開ける。
実はこのバイブ…
某県のとある男子大学生から送られてきたものなんです。
「初めて彼女ができて気持ちが舞い上がり、勢いでバイブを購入しました。それを彼女に見せたところドン引きされ…『そんな人だと思わなかった』と言われ…別れることになりました。彼女は僕の草食系っぽい雰囲気に惹かれてたみたいなんです。もうこのバイブは必要ありません。でも捨てるときなんだか恥ずかしいし…除エロ師のウチタケさんならなんとかしてくれると思ったので、このバイブを送ります。よろしくお願いします。ちなみにまだ童貞です。」
一緒に添えられていた手紙には震える文字でこう書いてありました。
青春だね…あきれるほどに青春だね(ほっこり)
青年の純情な感情に突き動かされた僕は、除エロ師としての本領を発揮することにしたのです。
本来の目的で使われることのないバイブなどインテリアとしてしか使い道がありません。
しかし、人間たちの性生活を充実させるため生み出されたバイブがインテリアとして玄関等に飾られることなど、バイブの制作者もバイブ自身も望んではいないでしょう。
だからこそエロさを取り除き、性とは無関係の「別の何か」に生まれ変わらせる…
これを除エロ師の専門用語で「昇天」と言います。
バイブを使って昇天させる人はいても、バイブそのものを昇天させようとする人はおそらくいないでしょう。
これは僕にとっても初めての試みです。
つい先日、コンドームを昇天させエアバッグへと生まれ変わらせた僕ですが、コンドームとバイブではエロさの度合いが違います。
正直に言います。除エロ師人生の中で最大の強敵です。
もし、バイブの除エロが成功するならば…
これは除エロ界の歴史を塗り替える「革命」となるでしょう。
「レボリューション」…いや
「バイブレーション」となるでしょう。
今回は除エロ師のプロモーションおよび僕にバイブを送りつけてきた、はた迷惑な大学せ……
いや、純情な大学生への活動報告のため、除エロ行為の一部始終をこのブログに書き記したいと思います。
ではさっそくやっていきましょう。
レッツ・ラ・ゴー!
その一「バタフライエフェクト」
「エロ」からもっとも遠いものはなんだと思いますか?
それは…
「蝶々」です。
野原を可憐に舞う蝶を見てムラムラする人はいますか?
いませんよね。
(前世がオスの蝶だった人はムラムラするかもしれません)
中にはこう言う人もいるでしょう。
「オイオイちょっと待て…倖田來未の『Butterfly』はエロかったぞ?MVそこそこエロかったぞ?」
あのですね、僕が言ってるバタフライってのは…
カエラのほうですから。
カエラの『Butterfly』ですから。
(言うまでもありませんが、どちらも素敵な楽曲です)
はい。では除エロを開始します。
まずは「純真無紙(じゅんしんむし)」にこのように蝶々の絵を描きます。
【純真無紙とは】
特殊な液体を使い、やや黄ばんだ白に染め上げた紙。この世のありとあらゆるエロを封印する力を持つと言われる。除エロ師七つ道具のひとつ。
それをこのように切り取ります。
これをバイブに取り付けると……
全然エロくない。
だってこれ…
蝶が可憐に舞っているだけだもの。
……あれ?
ちょっと待ってください…
バイブの除エロ、意外とイケる?
もしかしたら僕は除エロ師としての自分の実力を過小評価していたのかもしれません。
違う方法も試してみましょう。
その二「ダンシングフラワー」
「蝶々」と同じくエロから遠いもの、それは「花」です。
道端に慎ましく咲いている花を見てムラムラする人はいますか?
いませんよね。
(前世がオスの道端だった人はムラムラするかもしれません)
ストリップにおいては「花電車」と言われる女性の秘部を使った芸があるみたいですが…
今回の除エロには特に関係ありません。
また「花時計」と言われる体位があるみたいですが…
今回の除エロには特に関係ありません。
そして花咲舞も黙ってません。
では、除エロを開始します。
まずは先ほどと同じように「純真無紙」に可愛らしいお花の絵を描きます。
それをこのように切り取ります。
これをバイブに取り付けると…
全然エロくない。
だってこれ…
花が陽気に踊っているだけだもの。
これは玩具として商品化したらヒットするのではないでしょうか。
例えば、音に反応して踊るようにするとか。
…いやぁ、僕はただ除エロをしただけなんですけどね。
まさか斬新すぎるおもちゃの試作品を生み出してしまうとは…
除エロ師として食っていけなくなったときは、このアイデアを形にして玩具メーカーの面接を受けてきます。
その三「ハリウッドスター」
最後は、少しだけチャレンジをしてみたいと思います。
前述のとおり、対象からエロさを取り除き「別の何か」に生まれ変わらせることを「昇天」と言います。
実は、僕はその「昇天」をさらにもう一段階上のレベルに引き上げることに成功したのです。
名付けて…
「昇天:インポッシブル2」です。
【昇天:インポッシブル2とは】
日本三大エロ大将であるソフト吉井、オン清田、デマンド竹林との「やたら滑るマットの上での戦い」(通称やマ戦)に敗れた加藤ウチタケが「この人たちはスゴい…プロフェッショナルだ…」という尊敬の思いから生み出した「昇天」の進化技。対象からエロさを取り除き「新たな命」を与えることができる。ただしすでに生きているものに対し命を与えることはできない。この技を使用中、身体から謎の蒸気を噴出することがあるが、それを指摘されるとちょっと恥ずかしいのでやめてほしい。また、昇天:インポッシブル3、昇天:インポッシブル4といったようにこの技はまだまだ進化すると論ずる専門家もいるが、そういうのはネタバレというやつなのでやめてほしい。
「やマ戦」で三大将に敗れたあの日、痛感しました。
「俺っち、調子に乗っていたでゲス」と。
除エロ師の使命は、この世からエロを完全になくすことではなく「不健全で不健康、人を不幸にするエロ」を撲滅し「健全で健康、人を幸せへと導くエロ」を後世に残すこと。
今の自分じゃ、その使命を果たすことはできない…
だからこそ僕は変わろうと思ったのです。
そのためにまず、腹筋、背筋、腕立て伏せのトレーニングをそれぞれ1日15回、毎日続けました。
そして表参道のヘアサロンで髪を整え、ずっと行きたかった代官山のオシャレなカフェに行ってきました。
また、気の合う友人たちとたこパを開催し「最近彼氏とうまくいってないんだよねー」という沙希(中学からのいつめん)の不幸話にみんなが食いつき、散々ガールズトークをしたあげく最終的に「福士蒼汰と付き合いたい」という結論に落ち着きました。
その後「俺は海賊王のクルーだった」と豪語する、ちょっと怪しいおじさんと二年間孤島で修行した結果…
僕は命をつかさどる存在になることができたのです。
先に行った二つの除エロでバイブのエロさを十分に取り除くことはできましたが、まだ完璧ではありません。
普通の除エロ師であれば合格点ですが、僕は「やマ戦」に除エロ師の代表として出場した男…
そして、期待に応えることができずに敗北した男…
ここで「昇天:インポッシブル2」を成功させなければ、三大将に勝つことはできない。
女性ファンだって増えない。
女子中高生からキャーキャー言われない。
そう思うのです。
……では皆様、とくと御覧ください。
僕のすべてのMPを消費する大技……!
(一週間は筋肉痛だな…汗)
大成功です。
だってこれ…
命が躍動しているだけだもの。
皆様、見てください。
…なんて可愛いんでしょう。
まるで茶色の画用紙をセロハンテープで貼り付けたかのような愛らしいルックス。
名前は「チャガヨ・セローハン」で決定ですね。
こんにちは!チャガヨ・セローハン!
元気に育てよ!チャガヨ・セローハン!
はい。ということで除エロ終了です。
エロさ満点だったバイブを無事、エロとは無関係のチャガヨ・セローハンへと生まれ変わらせることができました。
バイブを送ってきた男子大学生、見ているかい?
君の思いになんとか応えることができたよ。
さて、あとはチャガヨ・セローハンをどうするか、ですが…
「自然にかえそう」と僕は思うのです。
「まだ生まれたての赤ちゃんのチャガヨ・セローハンを自然にかえすだって?かわいそうだろ!育てろよ!つーか、自然の生き物じゃないだろ!不自然に誕生した不自然すぎる生き物だろ!」
という意見があるかもしれません。
でも、実は僕の「昇天:インポッシブル2」は、この世に存在するすべての生物から命をちょっとだけいただいて、対象に与えるという技なのです。
(なので皆様の寿命も5秒ほど短くなっています。ごめんね☆)
つまり、チャガヨ・セローハンにはさまざまな生物の魂が宿っているということです。
まだ赤ん坊ですが、生物としてのレベルは僕よりもはるかに上なのです。
そんなチャガヨ・セローハンをペットのように育てることなど…狭い人間界に閉じ込めておくことなど…僕にはできません。
チャガヨ・セローハンがいるべき場所は、広い広い大自然…
大丈夫。
その身に宿る魂が、自然界で生きて行く術をチャガヨ・セローハンに教えてくれる。
「生態系を乱すな」的なことをチャガヨ・セローハンに教えてくれる。
そう思うのです。
では、後日チャガヨ・セローハンを、知り合いが所有する山の中にブン投げてこようと思います。
いつの日か立派に成長したチャガヨ・セローハンに会えることを信じて……
がんばれ!チャガヨ・セローハン!
負けるな!チャガヨ・セローハン!